子宮の健康を守るには、まず肝臓のケアから

9月 2, 2009

子宮は命を育む神聖なベッド。母体の中で胎児が必要とする栄養を供給する大切な器官です。しかし現代では、子宮内膜症や子宮筋腫といった婦人科の問題に悩む女性が増えており、時には身体に負担の大きい掻爬手術にまで至るケースも少なくありません。それでも根治には至らず、再発に苦しむこともあります。中医学の立場からは、子宮は肝臓が担う「遺伝的・生化学的プロセスの部門」とも言える存在であり、肝を健やかに保つことこそが子宮の異常を防ぐ鍵となります。そのため、中医治療ではまず「養肝（ようかん）」からはじめ、子宮本来の生化学的機能を回復させることを目指します。

中医師の李深浦氏は、子宮は人体における不思議な化学工場であり、その健康状態は肝臓の生化学反応と密接に関係していると説明します。たとえば脂肪肝や肝機能障害、ホルモン異常を抱える女性は、子宮の病変を引き起こすリスクが高くなるのです。また、長年胃腸の調子が悪く、慢性的な便秘に悩む人の場合、体内に宿便や老廃物がたまりやすく、それが子宮の癒着、子宮筋腫、卵巣嚢胞といった症状として現れることもあります。これらはいわば代謝不良によって生じた「体内の滞留物」であり、一種のメタボリック症候群なのです。

現在の西洋医学では、こうした子宮の病変に対して、超音波検査や内視鏡検査を行い、掻爬手術やホルモン療法によって治療するのが一般的です。しかし李深浦中医師は、子宮は本来とても“生きた”臓器であり、内部に滞留物があるということは、身体の生化学機能がうまく働いていないというサインだと指摘します。例えば冷たい飲み物を日常的に飲んでいると、体内の温度が低下し、身体が“倉庫”のようになって機能が鈍り、子宮もその影響を受けます。その結果、筋腫や肥厚などの異常細胞が発生するのですが、これもまた肝の生化学機能と密接につながっているのです。

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李深浦中医師によれば、健康な子宮を保つためには、まず肝と子宮の「気化」の循環を良くすることが不可欠だといいます。そうすることで、子宮の成長や発達が順調に進み、性生活が活発になる20〜40代の間もトラブルを避けることができるのです。また、自分自身の身体に備わる生化学的な仕組みを理解し、生活習慣や食生活によって肝臓の働きを乱さないように意識することが、子宮の病変予防にもつながります。

子宮に異常が出た多くの女性は、まず西洋医学に頼って手術を検討します。李深浦中医師が診た患者の中には、子宮内膜症のために3度も掻爬術を受けたにもかかわらず、まったく改善が見られなかった女性がいました。最終的には婦人科医から「まるでがんのようなものとして捉えた方がいい」と言われ、落胆とともに強い拒否感を覚えた彼女は中医治療に切り替えました。すると、腹痛が治まり、月経も安定し、症状が着実に改善していったのです。

こうした例は決して稀ではありません。李深浦中医師の周囲では、類似のケースがたびたび報告されています。彼は「中医学も実はとても科学的な医学である」と力を込めて語ります。中医学には五千年以上の婦人科の蓄積があり、人体の経験に根ざした知見が詰まっていますが、現代社会ではそれが忘れられがちです。実際、中医学によって改善された症状は数多く、西洋医学では到達できない結果をもたらすこともあります。だからこそ李深浦中医師は、むしろ西洋医学の医師こそが中医学の考え方を学び、融合的なアプローチで婦人科治療に臨むべきだと訴えます。現代の医療には、体内で薬がどう作用しているのかを正確に把握できる検査技術があるのですから、中医の処方を科学的に裏付けることも可能なのです。

「子宮は、ただの袋ではありません」。李深浦中医師はそう強調します。子宮には独自の生化学的な“言語”と“地位”があり、それを尊重することが大切だというのです。人間の感情のすべてが、子宮と無関係ではいられません。たとえば女性がふと異性の好意を感じたとき、心は瞬時に子宮へと通じ、生化学的な反応が起こるのです。人体はこのような微細な化学反応に満ちた存在なのです。

李深浦中医師は、「何をするにも、まずは生理的な満足だけを求めてはいけない」と警鐘を鳴らします。例えば、刺激を求めて辛いものを食べ続けたり、暑さを和らげるために冷たいものを摂取したりすることは、肝臓に大きな負担をかけ、体内の生化学反応を乱す原因になります。その結果、体調を崩し、病気を引き起こすことにもなりかねません。健康は、内なる生化学の調和から始まるのです。