天候の変化で風邪や咳を引き起こしやすい季節に、肺をすっきり保つための方法をご紹介します

11月 11, 2021

秋に入ると天候が安定せず、日中は暑さが残る「秋虎（秋老虎）」が現れる一方、朝晩は冷え込み、気温差が大きくなります。このような急激な気温変化に体が順応できず、風邪や咳を引き起こしやすくなります。伝統的な中医学では、体の「正気（免疫力）」が不足していると体が虚弱になり、肺の気が不足すると風邪をひきやすい体質になると考えられています。天候の変化に負けず、風邪や咳を予防するには、肺をケアし、肺を爽快に保ちつつ潤いを与え、「気」を強化することが大切です。

風邪は皮膚や鼻から始まる——肺との深い関係

李深浦中医師は、「風邪は皮膚や鼻から始まり、肺と直接関係している」と指摘しています。肺は皮膚を主り、鼻、喉、気管、肺はすべて肺経に属します。たとえば、体が虚弱な人が寝るときに手を布団の外に出してしまうと、体温が低下し、それが鼻に伝わって咳を引き起こしやすくなります。これは体の「気」が健全でないため、外部の温度変化に適応できず、生命の気場（エネルギーフィールド）が弱い状態を示しています。

気場が弱いと、寒さで咳やくしゃみが出る

さらに李深浦中医師は、正常な人は寒さを感じても「涼しい」と感じるだけで、暑さを感じても汗をかくだけで済むと説明します。一方、気場が弱い人は、寒さを感じるとすぐに咳をしたり、くしゃみをしたり、アレルギー症状を引き起こしやすくなります。このように、気場が弱いと体質が過敏になりやすく、他人と話す際に怒りっぽくなったり、すぐにイライラしたりすることがあります。これも気場の弱さが原因と考えられます。

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氣場が弱いなら早めのケアを

氣場（エネルギーフィールド）は人体にとって非常に重要です。氣場が弱いと、少しの天候の変化でくしゃみや鼻水、喘息などの症状が出やすくなります。李深浦中医師は、氣場が弱い場合、薬だけでなく、呼吸法の調整、リラクゼーション、静かに過ごすことが必要だと述べています。氣は無形であるため、元氣を体内に蓄えるには冷静で寛容な心を持つことが大切です。特に氣場が弱い人ほど、冷静さを学ぶことで體氣を養い、健康を取り戻せます。古代道教では「神静氣自回」と言われており、この考え方には科学的根拠もあります。

情緒不安定や氣場の乱れは健康のサイン

中医学では氣場の変化を非常に重視します。氣場が弱いと、情緒が不安定になりやすく、震えたり、筋肉や神経が弱まったり、ネガティブな感情にとらわれがちです。健康な人は汗をかいても体力を失うことはありませんが、氣場が弱いと少しの汗でも疲労感が強まり、特に高齢者では排尿回数が増えやすい傾向があります。これは腎の問題と誤解されがちですが、実際には腎と肺の相関関係（五行説における「金生水」の理論）が影響しています。

水分と氣体のバランスが健康を左右する

人体の大部分は水で構成されています。李深浦中医師は、水が人体における重要なエネルギー源であり、水中に含まれる氣体（主に水素と酸素）の反応が健康を左右すると説明しています。腎臓は電位作用を持ち、脳の冷静さや神経系の安定に寄与します。また、体内の水分は排尿だけでなく、氣体としても作用し、腎臓と膀胱を浄化しながら全身に氣を巡らせます。このため、氣場が弱いと感じたら早めに水分管理と氣のケアを行うことが重要です。

肺を清爽にする植物性中薬と氣の補充

植物性の中薬は體氣を補強し、元氣を安定させます。しかし、体内の元氣が弱い場合、外部から補充しても十分に活用できません。體氣を養い、本来の元氣を強化することが重要です。特に呼吸困難や胸の重さを感じる場合、肺を清爽にする中薬が効果的です。服用後1～2時間で肺が軽くなり、数日続けると呼吸が自然と楽になります。肺の細胞が活性化し、酸素代謝が改善されることで、肺と心の健康が向上します。

適切な飲食で氣の流れを整える

中薬によるケアに加え、日常の食生活も重要です。今年（辛丑年）は五行で「金」に属し、燥（金）の影響で肺や大腸に直接関係します。燥を防ぐためには水分を適切に補い、揚げ物や炒め物などの乾燥を招く食品を控えることが推奨されます。また、冷たい水は氣体になりにくく、全身に潤いを届けることができません。温かい水を摂取し、体内の氣を促進することで、健康な状態を保ちましょう。