脳血管性認知症を軽視しないで！中医学が提供する予防と改善策

12月 21, 2021

近年、認知症の患者数が増加しており、多くの人が認知症をアルツハイマー病や老化によるものと考えがちです。しかし、認知症には「脳血管性認知症」「アルツハイマー病」「レビー小体型認知症」の3つのタイプがあり、その中でも血管性認知症は中薬（漢方薬）で予防や改善が可能です。

遅鈍・物忘れ・反応が遅い――認知症の初期兆候

中医師の李深浦氏は、「加齢イコール認知症ではないが、老化を放置するとリスクが高まる」と警鐘を鳴らします。老化は全身の問題であり、例えば造血機能の低下や血中酸素濃度の不足により、体全体への栄養供給が悪化します。その結果、脳に酸素が行き渡らず、脳細胞の働きが鈍くなります。脳細胞は肺以上に酸素を必要とするため、思考の鈍化や物忘れ、反応の遅さといった症状が現れた場合、認知症の初期兆候かもしれません。

脳の酸素不足が老化を招く――心と脳の連動関係

李深浦中医師は、「脳の働きと酸素供給には密接な関係がある」と述べ、脳の退化には酸素不足が大きく影響すると指摘します。中医学では、心臓（心）は「火」として脳を支える0と1のような関係とされ、心の健康が脳の活発さを支えます。そのため、造血機能を活性化し、新陳代謝を促進することで脳の退化を防ぐことができます。また、肝臓を養生し、その代謝機能を高めることも、脳の健康維持に効果的です。

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血液のバランスを整える中薬――活発な思考を促進

認知症予防に役立つ中薬について、李深浦中医師は「血液の濃度が適正であることが重要」と説明します。血液が心臓の働きによって全身に栄養を運ぶ中、心臓の活動が血液の質に影響し、それが脳の機能に直結します。中薬は血液のバランスを保ち、循環を改善し、心と脳を活性化します。これにより、思考が敏捷になり、脳の老化を遅らせることが期待されます。

血液循環を改善する中薬――造血を助け、新陳代謝を促進

李深浦中医師は、「薬を服用する際には、全身の状態を考慮した体系的なアプローチが必要」と強調しています。単一の薬を服用するだけでは、部分的な効果に留まり、全身の健康を損なう可能性があるからです。

たとえば、イチョウ葉（銀杏）は脳の微小循環を一時的に拡張する効果がありますが、これだけに頼ると、使用を中断した際に逆効果を招く可能性があります。一方で、本当に血液循環を改善する中薬は、肝臓や腎臓の機能を補助し、造血を活性化させ、新陳代謝を促進する効果があります。

また、60歳以上で献血を行う場合、造血機能が衰え始めている可能性があるため、自分自身の血液の需要を満たせているかを確認する必要があります。李医師は「献血を考える前に、自身の健康状態を慎重に見極めることが重要」とアドバイスしています。

80歳でも健康な脳を維持するために――瞑想とバランス禅の実践

李医師は「脳の若返りは全身的な取り組みが必要」と述べ、瞑想やバランス禅（健康を取るための簡単ストレッチの一種）を推奨します。これらの練習は、地球の重力に抗する遠心力を生み出し、酸素供給を促進します。その結果、脳が活性化し、視覚や聴覚、口腔などの健康維持に寄与します。

新しいことへの興味を失うと、脳の退化が加速

加齢は個人の生活習慣や自己認識と深く関係しています。李深浦中医師によると、脳が退化していく主な原因の一つは、新しい刺激や体験に対する興味を失い、心身の明るさを保てなくなることです。

常に新しいことに対する興味を持ち、積極的に行動することが重要です。たとえば、登山が好きであれば、志を同じくする仲間を見つけるとよいでしょう。70歳になったら50代の友人を作り、90歳になっても70代の友人と交流を持つような生活が理想的です。

年齢を重ねる中で「役に立つ存在でありたい」と考えがちですが、必ずしも「役に立つこと」が必要ではありません。それよりも「楽しみ」を持つことが大切です。音楽や運動を楽しみ、新しいことへの興味を保つことで、脳の退化を遅らせることができます。

若い頃からの養生意識が大切　運動と日光浴の重要性

心身の管理には計画が必要であり、これにより尊厳ある老後を迎えられると李深浦中医師は述べています。老化が必ずしも退化を意味するわけではありません。若い頃から自分をしっかりと管理し、養生の意識を育むことが重要です。

時代の変化の中で取り残されないためにも、年齢を重ねた後は一日中寝て過ごすのではなく、自分に合った楽しみを見つけるべきです。ただお金のために行動するのではなく、楽しさを目的として活動を探しましょう。

特に運動は非常に重要です。運動することで血液の状態が良くなり、濃すぎたり濁ったりするのを防ぐ効果があります。また、日光浴をすることも心血の健康に寄与します。運動と日光浴の習慣を取り入れることで、心身ともに健やかな生活を送ることができるのです。

金剛般若経「如是我聞、一時佛在（かくの如く我は聞けり、一時、仏は）」　精神を集中し、一つに帰する　「一」とは揺るがぬ専念

李深浦中医師は、仏教の金剛般若経にある「如是我聞、一時佛在（かくの如く我は聞けり、一時、仏は）」という言葉について深い解釈を示しています。彼は、「一」に精神を集中し、陰陽の調和が分かち難いものであることを理解することの重要性を強調しています。「一」とは水を象徴しており、水は水素と酸素で構成され、その中に非常に高いエネルギーが秘められています。

静座（瞑想）は体内の水を活性化させる行為であり、これにより汗をかき、体が熱を持つようになります。例えば、西藏（チベット）の僧侶たちは、薄着で厳寒の高地においても経を唱えられるほど体温を高く保っています。この現象は、静坐を通じた発熱と発汗の効果によるものであり、その結果、身体がより軽やかで活力に満ちた状態になるのです。