1. 全身症状では、体力が不足し、容易に疲労し、元気が出ないことがよくあります。
2. 消化器症状では、食欲不振、吐き気、油っぽいものを嫌う、上腹部の不快感、腹膨満などの消化器症状が多様に現れます。また、胆汁の分泌が減少することにより、便の色が薄くなり、灰白色になることもあります。
3. 黄疸は、血中のビリルビン濃度が上昇すると、目や皮膚が黄色くなる症状です。
4. 肝の領域の疼痛は、肝臓の表面にはグリソン鞘と呼ばれる非常に薄い膜があり、グリソン鞘には痛覚神経が分布しています。肝臓が炎症を起こして腫れると、グリソン鞘が緊張し、痛覚神経が刺激されるため、一部の患者は右上腹部や右肋骨部に不快感や隠れた痛みを感じることがあります。
5. 肝脾腫は、急性肝炎や慢性肝炎の初期では脾臓は通常腫れることはありませんが、後に脾臓の網状内皮系統の増生や門脈高血圧により、脾臓にうっ血が生じ、脾臓が腫れることがあります。持続的で進行性の脾腫は肝硬変を示すことがあります。
6. 肝外の症状では、特に肝硬変の患者では、顔の色が黒ずんでくすんで見えることがあります。これは持続的または反復した黄疸により、肌にビリベルジンが沈殿するためです。顔、首、胸の前部、手の甲の肌にくも状血管腫が見られることがよくあります。男性では勃起不全が起こることがあり、女性では月経異常、閉経、性欲減退などが見られることがあります。

因みに、肝炎について、免疫機能が低下または乱れるため、さまざまな感染症（風邪、帯状疱疹、下痢など）が発生しやすくなるか、免疫系統疾患（乾燥症候群、天疱瘡など）が併発する可能性があります。同時に、ウイルスや免疫の影響を受けた脾臓は腫れることがあります。肝臓は凝血因子を生成する場所であり、重度の肝病では凝血因子が減少し、患者は凝血障害と出血の症状を示すことがあります。