黑クマが就職活動の障害に──鼻アレルギーの中医治療で劇的改善

9月 21, 2012

目の下の黒クマは、遊びすぎて寝不足なのでは？あるいは、疲れが抜けず仕事に集中できないのでは？といった印象を与えがちだ。しかし、その原因が鼻アレルギーによる“副作用”だと考える人は少ない。ある新卒の若者は、幼少期から続く鼻アレルギーのせいで、就職活動のたびに不採用の壁にぶつかっていた。ある面接官は親切心から「面接は第一印象が大切ですよ。遊びすぎて寝不足にならないように！」と助言したが、本人にとってはまさに“泣き寝入り”するしかない状況だった。

アレルギー性鼻炎を持つ人の多くは、病院を訪れ治療を受けているものの、一般的に西洋医学では「鼻アレルギーは根治できない」とされ、年齢を重ねることで自然に改善するのを待つしかないと言われる。あるいは、鼻づまりを引き起こす鼻ポリープを切除する手術が勧められることもある。しかし、中医学の観点はまったく異なる。深浦中医院の李深浦院長は、「アレルギーは鼻の基本的な防御反応であり、鼻は全身の熱放散の約35％を担っている。さらに、脳に近く神経が最も敏感な部位の一つだ。そのため、ポリープを切除しても再発しやすい」と指摘する。

李深浦院長はさらに、鼻は肺や大腸の放熱器官であり、鼻ポリープは体温調節の役割を果たしていると説明する。肺の温度が下がるとポリープが腫れ、気道が狭くなることで冷たい空気の過剰な取り込みを防ぎ、体を病気から守る仕組みだ。しかし、多くの人は鼻づまりによって口呼吸をするようになり、その結果、肺が十分に温まらず、ポリープの腫れが引かないどころか、ますます悪化してしまうのだ。

鼻アレルギーを持つ人は、自身の体質が「気虚」、つまりエネルギー不足であり、「陽気」が足りないことを理解することが重要だ。食生活では、梨やスイカ、冷たい飲み物など体を冷やす食材を避けるべきであり、葉物野菜や米・小麦製品など、腸の動きを活発にする高繊維食品を積極的に摂るとよい。漢方薬では、乾姜（かんきょう）や生姜を取り入れることで胃腸の熱を高め、黄耆（おうぎ）や西洋人参は肺と大腸の血流を促進する効果が期待できる。

さらに重要なのは、いかにして自己防御機能を活性化させるかという点だ。李深浦院長は、「瞑想、運動、粗食（精製されていない自然な食品の摂取）を習慣化すれば、アレルギー性鼻炎は大幅に改善する」と強調する。瞑想を行うことで神経系が安定し、細胞がエネルギーを蓄えやすくなり、呼吸も自然と深くゆったりとしたものになる。その結果、肺の放熱スピードが緩やかになり、酸素消費量が減少することで、鼻の敏感度が低下し、アレルギー症状が和らぐのだ。さらに、神経細胞が十分な休息と栄養を確保できていれば、たとえ病気になったとしても、早期回復が期待できる。

鼻アレルギーに悩む人は多いが、その対策は単なる対症療法ではなく、生活習慣や体質の根本的な改善に目を向けるべきだ。自らの体を理解し、適切なケアを施すことで、健康的な日常を取り戻すことができるのである。