肝機能指標上昇はCOVID-19重症化のサイン—肝臓専門医が予防策を指南

5月 27, 2020

世界的に猛威を振るうCOVID-19は、依然として完全な収束の兆しを見せていません。特に重症化すると、生命の危機に直結する恐れがあります。アメリカ・ニューヨーク大学の研究によると、深部筋肉痛、血清トランスアミナーゼ（ALT）の上昇、ヘモグロビン値の上昇という組み合わせが、重度の肺疾患の予兆となる可能性があることが判明しました。肝機能の良否は、今回のパンデミックにおいて極めて重要な役割を果たすと考えられています。

肝臓は人体の「解毒工場」として、体内の毒素を分解するだけでなく、胆汁の分泌、栄養素の合成・代謝、貯蔵、造血など、生命維持に欠かせない多くの機能を担っています。日々、絶え間なく化学反応を繰り返すこの臓器に異常が生じれば、全身のバランスが崩れるのは必然です。そのため、日頃から肝臓をケアすることこそが、重症化を未然に防ぐカギとなるのです。

抗ウイルス薬は肝臓に負担—肝機能を守る漢方で回復をサポート

「台湾養肝丸の父」として知られる李深浦中医師は、「肝臓への負担を軽減することこそが、免疫力を高める鍵」と指摘します。西洋医学では、抗ウイルス薬が一部の病気に有効とされますが、その一方で肝臓への負担が大きいという側面があります。実際の臨床経験においても、抗がん剤や抗ウイルス薬を服用する患者—特に硬皮症や肺線維症といった難治性疾患の患者—にとって、肝機能を保護する薬が大きな助けとなることが分かっています。さらに、血管の硬化を防ぐ作用も期待でき、血管が脆くなって剥離するリスクを低減できるとも言われています。

李深浦中医師は、肝機能の維持に関して独自の見解を持っています。彼は、「肝は木に属する」と説明し、樹木が光合成を行うように、肝臓も代謝活動によって新しいエネルギーを生み出していると指摘します。したがって、十分な休養と良質な睡眠を確保することで、酵素の働きが活発になり、体内の新陳代謝が促進されるのです。これにより、陽イオン（カチオン）が増加し、体の回復がスムーズに進みます。

ハチミツが含まれていないためGI値が低くなっており、服薬がさらに便利になりました

深浦養肝丸散

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肝臓を守るには「陽気」を養う—冷たい飲み物は厳禁！

李深浦中医師は、「水を飲む際は常温が基本」と強く勧めています。特に暑い季節になると、つい冷たい飲み物で体を冷やしたくなりますが、過剰な冷却は腎臓結石、ホルモンバランスの乱れ、血管の硬化を引き起こし、さらには心血管疾患のリスクを高めると警鐘を鳴らします。

特に、現代社会では肥満の問題が深刻化しており、喘息治療にステロイドを使用することで体重増加を招くケースも少なくありません。肥満によって体に余分な熱がこもると、冷たい飲み物で無理に冷却しようとする人が多いですが、これは大きな誤りです。体内の「気化」作用が低下し、ますます運動をしたくなくなる悪循環に陥るのです。

体内の陽気を養うことで、栄養がエネルギーへとスムーズに変換され、活動量も増加します。肝機能を正常に保ち、健康を維持するためにも、冷たい飲み物を控え、体を温める習慣をつけることが肝要です。

隔離中のストレスを解消するには—瞑想で心身を整え、エネルギーを高める

COVID-19の感染拡大に伴い、多くの人々が隔離生活を強いられ、ストレスや不安を抱えています。これに対し、李深浦中医師は「瞑想」を実践することを勧めています。

仏教や道教では、瞑想を通じて外界との接触を断ち、心を落ち着けることが重視されます。これはまさに、釈迦が菩提樹の下で瞑想に没頭したことと同じ原理です。一般的には「苦行」と見なされがちですが、実際には宮廷での贅沢な生活よりも、瞑想による「至福の境地」のほうが遥かに快適だったと言われています。

李深浦中医師は、「楽しい気持ちでいることが肝臓の健康にもつながる」と指摘します。過度に考え込むと心が不安定になり、睡眠の質が低下し、精神的なバランスが崩れるのです。肝臓の代謝機能は、外的なストレスが少ない環境でこそ円滑に働きます。質の良い睡眠をとることで、エネルギーが充満し、人生をより充実させることができるのです。