80歳でも目は輝き続ける！李深浦中医師が教える「目ヂカラ」維持の秘訣

9月 18, 2020

多くの人は中年を迎えると、視界がぼやけたり、目の疲れを感じたりすることが増えます。日常生活には大きな支障はないものの、症状が徐々に悪化していくことも珍しくありません。しかし一方で、80歳を過ぎても目が輝き続ける人もいます。その一人が、80歳の現役中医師・李深浦先生です。週に3日診察を行い、運転時もメガネを必要としないほど視力を維持。多くの中年層よりも目の健康を保っているのです。その秘訣は何か？李深浦中医師が実践する「目ヂカラ」維持の方法を探ります。

現代人の目の疲労は昔の人の比ではない

中医学では「肝は目に開竅（かいきょう）する」とされ、肝の健康と視力は密接に関係しています。李医師によると、70歳を過ぎるとドライアイや角膜疾患、白内障、緑内障、黄斑変性症を発症する人が増えますが、これらはすべて肝機能の低下と関係しているといいます。

中医学の考えでは、肝経の上部が目を、下部が卵巣や精巣を司ります。若い頃は経絡の働きが活発で、肝がしっかり機能しているため、摂取した栄養が全身に行き渡り、目にも十分な滋養が供給されます。本来、人間は睡眠を通じて目と肝のバランスを整え、一日の疲れを回復させる仕組みを持っています。昔の人々は、肉体労働の後に深い睡眠をとることで目の健康を維持していました。しかし、現代は「神耕（しんこう）の時代」となり、精神労働中心の生活に変化。スマホやPCの使用時間が長く、目の酷使が避けられず、目の疲労度は昔の人よりも遥かに大きくなっています。

睡眠不足が肝と目、さらには性機能の衰えを招く

李深浦中医師によれば、昔の人は筋肉を使う仕事が多く、肉体の疲れから自然と深い眠りにつくことができました。しかし、現代人はデスクワークが中心で、頭脳労働が多いため、夜になっても脳が仕事のことを考え続け、十分な睡眠を確保できません。結果として、肝と目の機能が低下し、さらには性機能の衰えも早まると指摘します。

筋肉の疲労がないと、熟睡できず、肝や目に必要な「気」が生まれにくくなります。水と火が交わることでエネルギーが生じるのと同じように、適度な肉体疲労があれば自然と眠れるものです。しかし、精神的なストレスばかりが蓄積されると、「気」の循環が滞り、自律神経のバランスが崩れ、結果として様々な病変を引き起こしてしまうのです。

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肝血を養うことが全身の健康を支え、目にも即効性がある

肝は「将軍の官」とも呼ばれ、全身の指揮をとる重要な役割を持ちます。肝を養うことは、肝血を充実させ、全身の健康を維持することに直結します。そして、肝が目とつながっている以上、目の健康にも即効性があります。

また、中医学では、思考は脳に由来し、肝がその働きを助けると考えられています。長期的なビジョンを持つには、肝が健康であることが不可欠であり、肝が衰えると持続的な思考力や事業の発展も難しくなると李深浦中医師は指摘します。つまり、健康な目と鋭い思考力を維持するためには、肝のケアが欠かせないのです。

目の緊張を解き、体の本来の機能を引き出す

李深浦中医師は、肝は「木」に属すると説明します。木がしっかりと葉を広げ、枝を伸ばすには、十分な栄養が必要です。人間の体も同様で、目の緊張を解き、内側からのエネルギーを引き出すことで、自然と良い栄養循環が生まれます。逆に、ストレスや過度な思考で心が乱れると、自律神経が乱れ、本来の機能が損なわれてしまいます。