空気汚染やウイルスが呼吸器に影響？中医学で肺を強化、痰を取り除き、咳を止める方法

3月 16, 2021

新型コロナウイルスの予防のため、マスクを着用することが当たり前になった現代。しかし、マスクをつけていると息苦しさを感じたり、呼吸がスムーズにいかなかったり、鼻の不快感に悩まされることもあります。一方で、マスクを外すと感染のリスクが気になってしまうものです。

実は、マスクの着用以外にも、喉の乾燥やかゆみ、痰のからみ、胸の痛みといった呼吸器の不快症状には、中医学の漢方薬が効果的です。咳を鎮め、痰を除去するだけでなく、肺機能を高めてスッキリとした呼吸を取り戻すことができます。中医師は、呼吸器系の健康を守るためには、有害物質を体内に取り込まないことに加え、免疫力を高めることが鍵だと指摘しています。肝臓ケアの権威である李深浦中医師が、中医学を用いた肺のケア方法について詳しく解説します。

呼吸困難や咳、痰が絡むときは？免疫力が健康の基礎を築く

『黄帝内経』には、「諸気憤鬱、皆屬於肺（すべての気の滞りは肺に関連する）」や「肺朝百脈（肺は全身の経脈を司る）」と記されています。

李深浦中医師は、中医学は病気を部分的に治療するのではなく、全体のバランスを重視する体系的な医学だと説明します。鼻は肺とつながっており、肺は「気」を管理する器官です。この「気」は免疫システムとも密接に関係していて、免疫力が高ければ肺の温度が適切に保たれ、十分な酸素を取り込むことができ、体内の「気」が充実します。また、鼻から排出される息の温度が十分であれば、ウイルスが体内に侵入しにくくなります。

新型コロナウイルスの流行で不安が広がる中、李深浦中医師は「ウイルスや細菌は人類よりもはるかに古くから地球に存在しています。病気を治療するためにウイルスを完全に排除するのではなく、抵抗力と免疫力を高めることが重要です」と強調します。抵抗力がなければ、感染や体調不良のリスクが高まるため、予防と同時に免疫力を高めることが根本的な対策だとしています。

また、B型肝炎やC型肝炎など現代病の多くがウイルスによって引き起こされていることから、ウイルスに対する正しい認識が必要だと李深浦中医師は指摘します。特に、耳はウイルス感染の経路のひとつですが、耳の消毒に注意を払っている人は少なく、耳咽管がウイルスの温床になることがあります。その結果、耳のかゆみ、喉の痛み、喉の炎症などの症状が現れることがあります。

咳による不快感はこれで解決　