自律神経失調症は肝臓と関係がある？肝臓ケアの権威、中医師が解き明かす真実

3月 30, 2021

倦怠感や不安症状など、さまざまな体調不良が実は自律神経失調症と関係していることをご存じですか？たとえば、免疫力が低下して風邪をひきやすくなったり、胃腸の不調として腹部の張り、下痢、便秘、胃食道逆流などが起きたりすることがあります。また、ストレスを強く感じ、緊張、不安、憂鬱、やる気の低下などの精神症状に悩まされることも少なくありません。さらには、全身の倦怠感や痛みに襲われることもあり、医療機関で検査を受けても原因がわからないケースが多いのです。

こうした症状に対して、どの診療科にかかればよいか分からず、対症療法に終始してなかなか改善しないという人も多いのではないでしょうか。実は、これらの自律神経失調症は「肝臓」と大きな関係があるのです。肝臓ケアのエキスパートである中医師の李深浦氏は、現代人に向けて肝臓を整え、自律神経失調を改善する方法を教えてくれます

中医学の視点で見る自律神経失調症　自然の法則に基づくアプローチ

自律神経失調症の症状が肝臓と関係している理由とは何でしょうか？李深浦中医師は、自律神経と随意神経が調和して働くことによって、身体のバランスが保たれていると説明します。中医学の自然観点からみると、人間の身体は自然の一部であり、日夜のリズムや天地の陰陽五行と深く結びついています。李深浦中医師は「自然界は人体に多くの影響を与えますが、それはまさに人体と自然が織りなす造化の妙です」と語ります。

「肝は木に属し、木は火を生み、火は土を生み、土は金を生む」という陰陽五行説に基づき、肝は人体のあらゆる機能と密接に関連しています。そのため、健康で充実した生活を送るためには、単に身体をケアするだけではなく、宇宙の法則に従い、肝臓の健康を守ることが大切です。そうすることで、自律神経と随意神経の調和が保たれ、身体全体のバランスが整うのです。

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欲望の暴走が自然のバランスを乱し、肝臓にダメージを与える

しかし、現代社会では過剰な欲望が原因で身体の自然なバランスが乱れ、肝臓に負担をかけていると李中医師は指摘します。たとえば、24時間働き続ける過酷な労働環境や、過剰なストレス、人間関係のプレッシャーなどが、肝臓に悪影響を及ぼします。「人は往々にして自分を過信し、限度をわきまえずに無理を重ねたり、他人のことを考えずに自己中心的に行動したりします。これは、人間が自然の一部であることを忘れ、調和を崩している証拠です」と李深浦中医師は警告します。

肝は宇宙の磁場　規則正しい生活で自律神経を整える

中医学では、自律神経失調症の治療には、規則正しい生活習慣が肝心だとされています。昼間に活動し、夜はしっかり休むという基本的な生活リズムが、肝臓の健康を保ち、自律神経のバランスを整えるカギになります。李深浦中医師は「肝は宇宙の磁場であり、肝機能の低下はGOTやGPTなどの肝機能数値だけでなく、脳の代謝機能にも影響を及ぼします」と述べています。

「自律神経が乱れないことが本来の『自律』です」と李深浦中医師は強調し、老子の教えである「人、法、道」のエネルギーと宇宙の磁場を理解し、何億年も続く自然のリズムに調和して生きることが大切だと説きます。

肝は「将軍の官」　自己の利益と他者の幸福を両立させる知恵

「病気になってから薬を飲むのではなく、病気を予防するために薬を取り入れることが重要です」と李深浦中医師は述べています。良い肝臓の薬は、単にGOTやGPTを下げるものではなく、エネルギーの生成や新陳代謝を促進するものです。肝臓は栄養供給の化学工場のような役割を担っており、地球の樹木のように、自己を守ると同時に他者にも恩恵を与える存在です。

「肝は『将軍の官』とされ、戦略を立て、他者の幸福をも考えるべきです」と李深浦中医師は語り、自分の利益だけでなく、周りの人々の幸福をも考慮することが、肝臓を健康に保ち、精神的な充実感を得る秘訣だと強調しています。

肝臓の健康を守り、自律神経を整えることで、現代社会のストレスや不安から解放され、心身のバランスを取り戻すことができるでしょう。